米国債のAAA格付け
2008年度の米国の財政赤字は、過去最大の約4380億ドルとなった。
金融危機に伴う米国の財政支出は、さらなる拡大を続けるであろう。
記憶にも新しい、今月初めに可決された金融安定化法案は、
金融機関からの不良債権の買い取りを最大7000億ドルまで可能とし、
またこの法案には、1500億ドル規模の減税対策も盛り込まれている。
さらには、ポールソン財務長官は、G7後の会見において、
「金融機関株式を買い取る公的資金注入計画を策定している」と言明した。
春からのFRBの動きを振り返ってみても、米国の大盤振る舞いは顕著だ。
FRBが春からの金融機関の救済に必要とした総額は、
ベア・スターンズにはじまり、ファニーメイ・フレディマック、AIGに到るまで、
その他すべてを合算すると、9000億ドル程度と目されている。
また、10月8日、FRBはAIGへの378億ドルの追加支援を行った。
かのように金融危機に伴う米国の財政支出が拡大の一途を続ける一方で、
実体経済の後退・減速は米国の財政収入の縮小を容易に想像させる。
つまり、金融危機が尾を引く限り、米国の財政赤字は拡大し続けるだろうし、
また、その規模がどれほどに膨れ上がるかは、誰にも分らない。
そこで問題提起されるのは、米国に対する信任、もっといってしまえば米国債の格付けである。
従来までの米国の巨額の経常・財政赤字は、
アジアの貿易黒字国や資源高に潤うエマージング国等の資金の、
米国への還流によって、ファイナンスされてきた。
その資金の流れは、たとえば自国通貨高の防衛等、
それぞれの利害に適合した行動であっただろうが、
当然のことながら、米国への「絶対の信頼」を前提とした行動であったはずだ。
しかし、従来の赤字に加えて、金融危機に伴う天文学的な財政赤字が米国に付け加わらんとし、
その総額も想像がつかず、未曾有の金融危機の行く末もわからずじまいというのならば、
その「絶対の信頼」という言葉に、いったいどれほどの重みが感ぜられようか。
「AAA」という言葉は、「たんなる民間企業による格付けに過ぎない」、
という至極簡単な事実を、我々はサブプライムショックを通じて、目の当たりにした。
世界経済の後退が予見される状況下、いやしくも米国への信認が揺らぐとするならば、
さらなる財政の大盤振る舞いによって発行され続ける、
巨額の米国債の買い手は、一体誰が担うのであろう













