過去の金融危機を振り返るということで今回は
ロシア危機とLTCM危機についてふれ、当時の為替の動きを見てみます。
LTCM(Long Term Capital Management)は1990年代に注目を集めたヘッジファンドです。LTCMは1997年にノーベル賞を受賞した、マイロン・ショールズ、ロバート・ローマン、FRB元副議長のデイビット・マリンズなどの豪華メンバーが集まったことで注目を集め、また実際に設立から4年で資金を4倍にするなど、実力もともなったファンドでした。
しかし順調だった運用も「ロシア危機」によって突如として転換期をむかえたのです。
なぜロシア危機がLTCMに大きな影響を与えたのでしょうか?
それは「ロシアのデフォルト」というものを全く想定していなかったからです。
「アジア通貨危機」の影響で世界的に景気が悪化。その結果ロシアの財源である石油の価格も急落し、ロシア経済に対して不安を持った投資家たちはロシア国債を敬遠。ロシア国債の金利は80%越えるまでになっていました。
このような異常な金利がついても多くの人々は「ロシアのデフォルト」は起こらない、と考えていました。IMFの存在があったからです。IMFは以前にメキシコをデフォルト危機から救済しており、ロシアに対しても必ず救済を行うはずだ、と人々は考えたのです。
予想どうり、一度はロシアを救ったIMFでしたが、他の国の税金から集めたお金でロシア国債を所有している人を救うことに対して批判をうけ、その後IMFはロシアを救済できませんでした。
「ロシアのデフォルト」というニュースをうけ、市場は混乱し、LTCMが割安であるとし保有していたスペインなどの国債は大量に売られ、LTCMが割高であるとして空売りしていたアメリカなどの国債が大量に買われました。LTCMが多くの会社、銀行からお金を借りていただけでなく、LTCMのマネをする金融機関も多数存在していたため、LTCMの破綻は世界恐慌をも引き起こしうると考え、ニューヨーク連銀が中心となり、LTCMの破綻を一時的にはさけることができました。
しかしその影響をうけ、9月には130円台中盤だったドル円は、LTCMの危機が伝えられた後、10月7、8日の2日間で130円から111円へといった信じられないような動きを見せました。
多くの人々が想定していなかったことから混乱が生まれ、大きな経済危機となっていく。サブプライム問題後、アメリカのトップに君臨するような企業が破綻し、現在も大きな経済危機をむかえています。
多くの人が正しいと言っていることが本当に正しいことだとは限りません。他人の言うことを鵜呑みにせず、多様な意見を聞き、本当に正しいものを自分の中で確立する能力が今求められています。













