皆さんお久しぶりです。今未曾有の経済危機世界が世界を襲っているのは周知の事実ですが、実は以前にもこれほどの規模ではないにせよ、金融危機が米国で起こっています。今回はそのうちのひとつである「S&L危機」というものを取り上げたいと思います。
これは、預金金利が自由化された1982年以降における、相次ぐ金融機関の倒産(特にS&Lの深刻さは顕著であった)をさします。
S&L(Savings and Loan Association)とは、商業銀行では一般的な預金業務、並びに住宅ローン貸付業務(短期の預金で調達した資金で、長期の固定住宅ローンを貸し出す)を主に行う金融機関のことです。
一般に、1980年代前半の第一次S&L危機と1980年代後半の第二次S&L危機の二つに大別されます。
第一次S&L危機(80年代初頭)
預金金利が自由化されて各金融機関が自由に預金金利を設定できるようになると、今まで長期固定金利で貸付を行っていたS&L各社は、短期の預金金利上昇との逆ザヤを契機に経営状況に翳りが生じるようになりました。
詳述すれば、満期が6年未満である短期の預金を数十年規模の長期の住宅ローンとして貸し出していたため、当時異常なインフレで預金金利が高かったことを考えると、預金者に払う金利の方がローン債務者から受け取る金利よりも高くなるという完璧な赤字状態になってしまったのです。
そこでさらに企業買収への融資やジャンクボンドへの投資などハイリスクな事業に手を出し、状況はますます深刻になっていきました。83年になってからは、変動金利型ローンや住宅ローンの証券化による金利変動リスクの低減により、一時業績は回復したものの、次の危機へとつながっていきます。
第二次S&L危機(80年代後半)
86年あたりからの原油価格下落をきっかけとして200社以上の企業が倒産し、もっともその深刻さを象徴するのが、1989年にS&L預金を保証する連邦貯蓄貸付保険公社が破綻したことでした。
もしもの時にはあいつらが預金を保証してくれるから大丈夫だ、などと一種のモラルハザード的な考えをもってハイリスク・ハイリターンな商品に手を出していたS&Lの横暴もついに許されなくなってしまったのでした。
実際ドル円相場は大暴落。84年から88年にかけて、ドルは円に対して約半分といってよい程までに価値が下がってしまったのでした。(84年243.9円→88年128.3円)
今回はこれで終わりです。最後まで読んで下さった方はありがとうございました。













