ボリンジャーバンドの構造とその考察
・算出方法
統計学の考え方を援用しているだけで、構造としてはシンプル
移動平均線 ± 標準偏差*n = ボリンジャー・バンド
・標準偏差とは −バラツキの尺度
・標準偏差の算出法
ある期間内の価格のバラツキを知りたい。
→それならば、ある期間の平均値と、ある期間のそれぞれの価格の差(偏差)を順番に足していき、その合計を期間で割ればよいのではないか?
→しかし、偏差を足しただけでは、合計は0になってしまう。
では、偏差を二乗したものを合計すれば、値は正の値をとるし、期間(-1)で割ることが出来るのではないか? (=分散の算出)
また、そこから一歩踏み込んで、分散の平方根をとったものを、(二乗したものを元に戻す)標準偏差といい、今日ではバラツキを示す目安として各分野において使われている
※ボリンジャーバンドでは、上記で算出された標準偏差σに、2をかけた2σがよく使われている
・標準偏差をとる意義
価格が正規分布に従うとすれば、平均値±2σの範囲において、95%、価格が収まるであろうと想定されている。(ここが、移動平均線±2σがバンドの算出式となっている所以である)
・問題提起
→?本当に価格は正規分布に従うのか?
→?従わないとすれば、このテクニカル指標は意義を失うか。
?正規分布に従わないとすれば、つまり統計学の考え方が相場に適用できないならば、この指標が、統計学の意味で無価値であることは認めよう。
?しかし私は、指標の意義など使い方・捉え方次第であって、相場に統計学が適用できるかどうかは、指標の意義とは別問題と考える。
・ボリンジャーバンドの活用法
バンドを考案したbollinger氏は、その彼の著書の中でバンドの使い方はカウンタートレード(逆張り)ではなく、トレンドフォロー(順張り)に用いるべきと主張しているそうだ。
まず、カウンタートレードに向かない理由を考察するうえで、前置きとして、これはバンドに限らず、テクニカル指標一般に通じることであるが、テクニカル指標が価格を作っているのではなく、価格がテクニカル指標を作っている、というあたりまえの事実を念頭においてほしい。
その事実を、バンドにおいて当てはめてみると、つまりは、バンドの中を価格が動いているのではなく、価格を包み込むようにバンドが動いているのだ、ということである。
カウンタートレードはエントリーのポイントが最重要であるが、バンドをカウンタートレードの目安とすると、このバンドという目安は常にふらふらと価格を包み込むように動いているため、頓珍漢なポイントでのエントリーが頻発しうる。
再度申すが、チャートに刻まれたテクニカル指標は、価格が変動し終わった最終結果として痕跡を残しているのであって、今現在におけるテクニカル指標の状況を想像し、その前提の下でものを考えなければ、テクニカル指標は使い物とはならない。
一方、Bollinger氏の推奨する、バンドをトレンドフォローに用いるやり方として、その一例の中で、そのバンド幅について言及しているそうだ。バンド幅の収縮ののち、バンド幅が急拡大を見せ、バンドを抜けた場合、それは絶好のトレンドフォローの機会だ、ということだ。
この方法論に関しては、バンドの構造を念頭におけば、非常に解りやすくなる。これは私の考察であるけれど、分散をボラティリティと見做した場合、バンドの幅は、ボラの大きさをそのまま表す。つまりバンド幅の縮小とは、ボラの低下であり、バンド幅の急拡大とは、ボラの急拡大ということである。
値動きが沈静化し、さらにレンジを狭めたあと、急激に値動きが激しくなった方向に張る、というのは、教科書通りの極めて合理的な投資行動だろう。
なにより、この考え方は、バンドが価格を包み込むように動くこと自体を利用している。
分散によって示唆されるボラティリティの縮小と拡大こそを利用しているため、リアルタイムでのバンドの変化をきちんと考慮に入れている。
・まとめ
これはテクニカル指標とは何か、という根幹に関わる話であるが、とある指標が統計学に基づくからといって、必ずしもそれを正規分布という考え方に基づいて利用する必要はない、と私は考える。
つまりは、仕組みを柔軟に解釈すれば、相場が正規分布に従わないとしても、ボリンジャーバンドに意味を持たせることは、可能なのだ。(儲かる、儲からない、は別とする)






